【Netflix】映画「新幹線大爆破(2025年)」あらすじと感想【ネタバレあり】

こんにちは、ラッコです。

Netflixで配信中の「新幹線大爆破」を鑑賞しました!

1975年に公開された同名映画を、現代の設定で大胆にリブートした本作。
公開前から広告などで何度も目にしていたので、気になっていた方も多いのではないでしょうか。

JR東日本の特別協力もあり、リアリティとスケール感のある演出が光る、迫力満点の作品に仕上がっていました。

それではさっそく、見どころを紹介していきます!

目次

あらすじ

東京行きの新幹線に仕掛けられた爆弾。速度が時速100kmを下回ると爆発するという状況下、車内はパニック状態に陥る。時間との闘いのなか、乗客全員を救うべく鉄道人たちが奔走する。

Netflix公式「新幹線大爆破」より

作品概要

題名新幹線大爆破
公開年2025年
監督樋口真嗣
キャスト草彅剛(車掌/高市)
細田佳央太(車掌/藤井)
のん(運転士/松本)
斎藤工(総括指令長/笠置)
要潤(Youtuber/等々力満)
尾野真千子(議員/加賀美裕子)
豊嶋花(女子高生/小野寺柚月) ほか
公式サイト映画『新幹線大爆破』Netflix公式サイト

感想・考察

これから鑑賞される方へ(ネタバレなし)

新幹線を”魅せる”映画

まず最初に出た感想は「新幹線、かっこいい!!!」でした。

鉄道オタクでもないわたしにとって、新幹線はただの移動手段でしかなかったのですが、本作を鑑賞して「新幹線が好き!」という方々の気持ちが少し分かりました

この映画ならではの見どころとして、今回の主役であるE5系「はやぶさ」とALFA-Xが並走するシーンがあります。

試験車両であるALFA-X自体を見れることがそもそもレアなので、「はやぶさ」と並んで走行している姿はとても貴重な映像なんだそうです。

頭のいいらっこ

「ALFA-X」はJR東日本によって製造された試験車両で、次世代の新幹線を開発するためのテストを行っているよ

組織人として最大限に力を発揮するJR職員

本作では、新幹線に乗り込む車掌や運転士はもちろんのこと、乗客の目には触れない「指令所」から、緻密なダイヤが乱れないよう運行を支えるJR職員の姿も描かれており、新幹線に関わる多くの人々の仕事を知ることができます。

車掌や運転士は、私たちも新幹線を利用する際に目にする機会がありますが、指令所については、セキュリティ上の理由からその場所や詳細が公表されておらず、謎に包まれています。

作中では、そんな指令所で働く人々の姿がたびたび登場し、新幹線の運行に欠かせない存在であることが、力強く描かれています。

走り続ける「はやぶさ」の進路を確保するために、どの車両をどこで止めるのか、どの線路を通すのか――すべての車両の各駅の通過時間と位置関係を緻密に計算する姿には、長年積み重ねてきた知識と経験の重みを感じました。

そんな複雑な計算をこなしつつ、同時に乗客の救出方法まで考えていなんて、本当にすごいです。
思いつきだけで行動せず、丁寧に一つ一つに向き合うところはすごくイメージ通りだなと思いました。

頭のいいらっこ

作中に出てくる指令所の大きな電光掲示板は、今はもう撤去されているみたい。でも走行位置がひと目で分かる仕組みで、映画ではうまく活用されていたよ。

また、作中には線路に直接触り、点検や工事を行う保線作業員の方々も登場します。

指令所の指示を受けて、大勢の作業員たちが力を合わせて線路の延長作業を行う様子を見て、わたしたちが日々当たり前のように電車に乗れているのは、こうした現場の支えがあってこそなんだと改めて感じました。

新幹線1本を動かすにも、たくさんの人たちが関わっているのだと実感できるシーンでした。

豪華な俳優陣と、ピッタリな配役

本作の大きな見どころのひとつは、なんといっても豪華な俳優陣
予告を見ただけでも、知っている顔ぶればかりでとてもワクワクしました。

車掌・高市役/草彅剛さん

高市は終始冷静で、誰が見ても頼れる存在
どんなトラブルが起きても、高市に任せておけば大丈夫と思わせてくれるような安心感があり、まさに“車掌の鑑”といった風格です。

実際、新幹線に爆弾が仕掛けられていると知っても動じることなく、淡々と職務をこなす姿はプロとしての覚悟を感じました。
ただその冷静さがあまりに徹底していて、逆に人間味を感じられず、少し怖さすら覚えるほどでした

草彅さんは、こういう真面目で几帳面な役が本当によくハマりますよね
今回も演技がとても自然で、まるで本物の車掌を見ているようでした。

★車掌・藤井役/細田佳央太さん

ここ数年、ドラマでよく見かける印象のある細田さんですが、今回演じた藤井は、ちょっと抜けたところもありつつ、一生懸命さが伝わってくる“かわいげのある後輩”といった雰囲気の役でした。

爆弾の存在を知ってもまったく動じなかった高市に対し、藤井は明らかに動揺しており、その感情の揺れがはっきりと描かれていました。

冷静沈着な高市とは対照的で、藤井の反応の方がより現実的で人間味のあるものとして際立っていたように思います。

★運転士・松本役/のんさん

のんさんは、個人的にとても好きな女優さんなので、本作で見られるのをとても楽しみにしていました・・・!

松本は、爆弾が仕掛けられた「はやぶさ」の運転士で、乗務員の中でも最初にその事実を知らされた人物でもあります。

運転士としての強い意志をしっかり持っていて、指令所からの連絡にも遠慮なく自分の意見をぶつける姿は、若さを感じさせる一方で、素直でまっすぐな性格がよく表れていました。

また、ちょっとした所作のひとつひとつからも、運転士という仕事に対して真剣に向き合ってきたことが伝わってきて、丁寧に役作りされているのが印象的でした。

「はやぶさ」の自動ブレーキシステム(ATC)を解除するシーンでは、松本が汗だくになりながら、何度もシステムが解除されているかを確認している様子が心に残りました。

一人きりで運転室にこもり、あの状況で冷静に対応しなければならないことを考えると、運転士という仕事の重責や大変さがひしひしと伝わってきました。

★総括指令長・笠置役/斎藤工さん

指令所から現場の状況を把握し、適切な指示を送る笠置。
少し感情的になって話す運転士・松本に対しても、怒ることなく淡々と事実を伝える姿が印象的でした。

高市と同じく冷静で落ち着いた雰囲気を持ちながらも、笠置には時折素直な感情が見え隠れし、高市よりも人間らしさを感じました。

この絶妙なバランスをうまく演じ分けているのが、斎藤工ならではの実力だなと改めて実感しました。

他にも、乗客として、議員の加賀美役の尾野真千子さん、等々力満というYouTuber役の要潤さん、女子高生役の豊嶋花さんなど、とても豪華なキャストが登場します!

迫力のある映像や、緊迫感のある展開を楽しみたい人におすすめ

以上、本作のおすすめポイントをざっくり挙げてみました。

高速で走る新幹線の迫力ある映像、爆弾の存在を知ったときの乗客たちのリアルな反応、そして乗務員を含む乗客全員を救おうと一致団結して奮闘するJR職員や警察の姿など、JRの協力があるからこそ実現したシーンが盛りだくさんで、見どころは満載です。

気になった方はぜひ観てみてください!


※注意※ ここからネタバレあり 

映像はとにかく迫力満点で、鑑賞後には「すごいものを見た!」という満足感がしっかり残りました。

ただその一方で、ストーリーや設定に関しては、もう少し踏み込めたのでは・・・?と感じる場面も。

ここからはネタバレも含めて、気になった点を交えながら感想を書いていきます。

新幹線なのに逆走!?迫力の映像は必見

個人的に特に印象的だったのが、対向の新幹線が通過するのとほぼ同時に「はやぶさ」を対向車線に通す“逆線運転”を試みるシーンです。
逆線運転とは、普段とは反対側の線路を走るというもので、実際に使われるのは緊急時など特殊なケースに限られます。

爆弾を仕掛けられ止まることができない「はやぶさ」(5060B)ですが、なんとこんなタイミングに限って同じ上り線の前方で別の新幹線(3032B)が車両トラブルにより停止してしまいます。

逆線運転の過程①

このままでは衝突してしまうため、指令所からは次の切り替えポイントで隣の下り線に移り逆線運転をするよう指示がありましたが、対向の下り線からはまた別の新幹線(3027B)がこちらへ向かって走行しています。

そして指令室は、対向の新幹線(3027B)が切り替えポイントを通過した直後に、「はやぶさ」(5060B)を下り線へ通す決断を下しました

逆線運転の過程②

衝突を避けるため、「はやぶさ」(5060B)の速度は爆発しないギリギリの105km/hまで落とし、反対に対向の新幹線(3027B)の速度はできる限り早くポイントを通過するよう向上させます。

両者の到達時間を綿密に計算し、衝突を避けてすれ違わせようと奮闘するJR職員たちの姿は、緊迫感あふれる演技と相まって、手に汗握る興奮のシーンでした。

また、この一瞬のために危険を承知で決断を下す指令所の斎藤工さんの覚悟と、その指示を受け入れながらも、高速でポイントに進入する危険性に不満げな表情を見せる運転士・のんさんの姿が印象的でした。

らっこ

無事すれ違えるのかどうか、速度が落ちて爆弾が爆発してしまわないか、ドキドキしたよ

救出のカギを握る指令所での攻防

指令所には、日頃から働いているJR職員はもちろん、事件の発覚後には新幹線統括本部長や企画戦略部長といった幹部クラスの人物、さらには警視庁の捜査員や内閣総理大臣補佐官までもが集結します。

乗客の混乱を避けるため情報の公表を控えたいJRと、犯人の情報を集めるために公表すべきだと考える国側。
それぞれの立場や思いがぶつかり合いながらも、最終的には乗客を守るという目的のもとに力を合わせていく姿に、思わず胸が熱くなりました。

最初はどこか生意気で、いけすかない印象だった内閣総理大臣補佐官も、終盤にはJRの判断を信じて国側を説得しようとする姿が描かれます。
立場の違う人たちの心が少しずつまとまっていく様子は、この作品の見どころのひとつだと感じました。

ただ、警察や国の組織が関わる中でも、新幹線の運行に詳しいのはやはりJRの職員たち。

乗客の救出方法を考えるのはほとんどがJRの職員で、犯人の要求である1000億円の用意には応じないという方針のもと、解決策を見つけ出していきます。

らっこ

その分、警察の出番が少し控えめだったのが少し気になったよ

普段私たちが直接目にすることのない指令所で働くJR職員たちの活躍を見られたのは、本当に貴重で、すごくかっこよかったです。

特に印象に残ったのは、爆弾が仕掛けられたはやぶさにルートを開けるため、全列車を待機させるという指示に対し、ざわつく部下たちに向かって総括指令長である笠置が「お客様の安全にまさる運行はない」と断言したシーン。
その自信に満ちた決断の姿勢には、思わず痺れました・・・!

胸が熱くなるクライマックス

クライマックスでは、JR職員たちが力を合わせて、乗客を救うための救出作戦を展開します。

最終的には、爆弾が仕掛けられていない車両に乗客を集め、その車両だけを高速走行中に切り離すという大胆な作戦を敢行。
見事成功し、全員の無事が確認されます。

生存確認が取れた瞬間、指令所のピリついた空気が一気に緩み、自然と拍手が湧き上がる様子がとても印象的でした。
職員たちの顔に浮かぶ安堵の表情を見て、こちらまで胸が熱くなり、思わず「本当にお疲れさま…!」と声をかけたくなるような感動的なシーンでした。

そして、斎藤工さん演じる総括司令長が、すぐさま止めていた列車の運転再開に向けて次の指示を出す姿もまた印象的です。
その的確で落ち着いた動きからは、まさに“組織人”としてのプロ意識がにじみ出ていました。
自身の仕事に取り掛かったあと、ほんの一瞬だけ見せる柔らかな表情がとてもよかったです。

また、無事に救出された車掌・高市は、救急車で運ばれる藤井や警察に連れられた柚月を見送った後、無事助かった5人の乗客に視線を向けます。

その視線に気づいた乗客たちが、静かにお辞儀を返す場面。
ここで、冒頭の「目的も違うお客様が同じ新幹線で同じ方向に向かってる。でも駅に着けば他人同士。その背中を見送る寂しさって何かいいじゃないですか。」という高市のセリフが思い起こされ、まさにこういうことだなと思いました。

その後、高市と運転士・松本は、待っていたJR職員たちに迎えられます。

運転士の松本は、いくら同じ列車に車掌が乗っていたとしても、運転室という個室で一人孤独に戦っていたようなもの。
仲間に迎えられたことで、ようやくその孤独な戦いが終わったのだと感じさせられる、印象的な場面でした。

やはり圧倒される俳優陣の演技力

そして本作を構成する上でとても重要なのが、やはり俳優陣の演技力だと思います。

常に緊張感の続く展開の中で、短いセリフやちょっとした表情だけで状況や感情を伝える俳優陣の演技がとても印象的でした。
こうした細やかな表現が積み重なって、作品全体の厚みやリアリティがより際立っていたように感じます。

中でも驚かされたのが、犯人である女子高生・小野寺柚月を演じた豊嶋花さんの存在感です。

友達とは笑顔で会話をしながらも、どこか影を感じさせる雰囲気や、父親と電話するシーンでの虚ろな目、そして犯人だと告白したあとの”すべてを拒絶しているような表情”など、目を引かれる場面がいくつもありました。

もう一つ印象に残っているのが、東京駅で進められていた線路延長工事が、突然中止されることになった場面です。

その知らせを最初に受けたのは新幹線統括本部長(演・大場泰正さん)。
怒りと悲しみが入り混じったような表情で、唇をわなわなと震わせながら延長案の撤回を告げる姿に、こちらまで胸が締めつけられるような気持ちになりました。

辛そうにうつむく人、やるせなさそうに天井を見上げる人、唇を噛み締める人。
それぞれが思いを抱える中で、これまで冷静に指示を出してきた笠置が、ついに机の書類を勢いよくぶちまける場面がありました。

これほどの大事件に対して必死に考えてきたことが水の泡になったと思えば、その怒りの爆発は無理もないですよね・・・

そして、この中止の決定が、現場で実際に作業をしていた人たちに伝えられる場面は、とても胸が痛くなりました。

指令所の判断を信じて、大勢の人たちが集まり、力を合わせて線路の延長作業を進めていた矢先の出来事。

現場をまとめていた保線技術センターの副所長(演・田中要次さん)は、中止の知らせを受けた直後、行き場のないような表情で職員たちのもとへ歩き出します。

その姿と、これから伝えられるであろう知らせの重さを思うと、とても辛い気持ちになりました。

1975年公開の「新幹線大爆破」との繋がり、そして犯人の意図

本作は、1975年に公開された映画『新幹線大爆破』をリブートした作品ですが、物語の設定も当時の事件(通称「109号事件」)と地続きになっており、前作とのつながりがしっかり描かれています。

その接点としてまず登場するのが、今回の事件の犯人・小野寺柚月の父親である小野寺勉(演・森達也さん)です。彼は元警察官で、1975年の109号事件発生当時、犯人グループのひとりを確保する現場に立ち会っていました。

犯人は警察に捕まるくらいならと、自ら爆発物を使って命を絶ちました。
しかし、警察の上層部は“犯人を死なせた”という責任を負いたくなかったため、柚月の父・小野寺勉を「犯人を射殺した英雄」として仕立て上げます。

やがて小野寺自身もその“作られた真実”を信じ込み、本当に自分が犯人を射殺したかのように振る舞うようになります。ついには、「自分が新幹線を救った」とまで語るようになっていきました。

こうしたゆがんだ自信や正義感は、娘・柚月との関係にも大きく影響していきます。

9年前に妻を亡くして以降、小野寺は柚月に対して厳しく接するようになります。
自分のことを「お父様」と呼ばせ、常に敬語で話させるという関係性は、親子というより支配と服従のようなもので、柚月の心は少しずつ追い詰められていきます。

存在そのものを否定されるような言葉を浴びせられ、長年積み重なった苦しみが限界を迎えた柚月は、新幹線に仕掛けたものと同じ爆弾を自宅にも仕掛け、小野寺との通話中にその爆弾を起動させました。

その決断には一切の迷いがなく、むしろ清々しささえ感じられました。
電話を切った後、少し影を帯びたスッキリとした笑顔が浮かび、彼女の父親に対する深い憎しみがはっきりと伝わってきました。

彼女が新幹線を標的に選んだのも、そんな父親への仕返しという意味合いが強かったようです。
「自分が救った」と得意げに語っていた新幹線を狙うことで、父の誇りを真っ向から打ち砕こうとしました。

ただ、彼女自身は犯行の動機として、「嘘の普通を壊したくなった」「みんなが泣いて、喚いて、怒って、憎んで、そういう嘘のないリアルな光景が見たかった」と語っています。

家では理不尽な扱いを受けながらも、学校では何事もないかのように振る舞い続けなければならない日常。
そんな“普通”を演じ続けることへの違和感や苦しさが、やがて爆発したのだと感じます。
そして、周囲の人たちがそれに気づかずに日常を過ごしていることにも、強い嫌悪感があったのでしょう。

もう一つ、1975年の「新幹線大爆破」との繋がりが描かれているのは、柚月の協力者である発破技士(はっぱぎし)の古賀です。

ピエール瀧さんが演じる古賀は、柚月に協力して爆弾を作った張本人であり、109号事件で小野寺に射殺されたとされている犯人、古賀勝の息子でもあります。

古賀はSNSを通じて柚月と接触し、彼女の不幸な境遇に心を動かされ、協力を申し出ます。

彼女に対する同情から爆弾を作ったと語る古賀ですが、その裏には、自分の父親の死を不当に扱われたことに対する小野寺への恨みが潜んでいたようです。

頭のいいらっこ

発破技士とは、建設現場や採石場などで、人の手や機械では壊せない岩や構造物を、火薬を使って安全に破砕する専門職だよ

期待していたからこそ気になった点

公開前から大々的に宣伝されていたこともあり、かなり期待していた本作。
その分、ストーリーや設定には「ん?」と感じる部分もいくつかありました。

もちろん、現実には起こり得ないフィクションとして振り切ったエンタメ作品なので、細かいツッコミは野暮かな……とも思いつつ。
でもやっぱり気になるところは気になる!笑

というわけで、特に気になった点をいくつか挙げてみます。

・キャラクターの期待感とストーリーへの影響

気になったのは、爆弾が仕掛けられた「はやぶさ」の車内で登場する乗客たちについて。

尾野真千子さん演じる議員・加賀美裕子、要潤さん演じるYouTuber・等々力満、松尾諭さん演じる観光会社の社長・後藤など、個性豊かなキャラクターが登場します。

しかし、それぞれのキャラクターがあまり深く掘り下げられることなく登場するので、少し薄っぺらく感じてしまいました。

豪華なキャストが揃っていると、「この後どんな展開になるんだろう?」と観客としてはどうしても期待が高まりますよね。
ところが、そのキャラクターたちがストーリーにあまり関わらないと、少しガッカリしてしまうこともあります。

とはいえ、キャストを豪華にすることで、観ている側に犯人を予測しづらくする意図があったのかもしれないなとも感じました。

また、JR職員たちが堅実で確実な行動を選ぶのに対し、議員の加賀美やYoutuberの等々力はその場の空気や自身の感情に引っ張られて行動していることが多く、こうした対比は観ていておもしろかったです。

また、JR職員たちが堅実で確実な行動を選ぶのに対し、議員の加賀美やYouTuberの等々力は、その場の空気や自分の感情に引っ張られて行動することが多い。こうした対比が、作品に深みを与えていると感じました。

・女子高生が犯人、リアルでは無理?

今回の新幹線爆破事件の主犯が女子高生・小野寺柚月だったことにはちょっと驚きました。
女子高生がこんな大規模な事件を起こせるのか?という疑問がどうしても浮かんでしまいますよね。

もちろん、彼女には発破技士・古賀の協力があったとはいえ、実際に爆弾をどこで、どうやって仕掛けたのか、さらにその手順が誰にもバレずに進行したのかという点では、少し現実的じゃないように感じる部分もありました。

・リアリティに欠ける?1975年「新幹線大爆破」からの繋が

本作は1975年公開の「新幹線大爆破」と繋がりがあるのですが、年齢的な部分ではやや無理があるように感じました。

例えば、柚月の父・小野寺勉は1975年の「109号事件」に警察官として関わっていました。
この時、小野寺が20〜30歳だったと仮定すると、柚月が生まれた時には50〜60歳だったことになります。
もちろん、高齢で子供を持つこともあり得ますが、ちょっとリアリティに欠ける気がしました。

さらに、元警察官の小野寺の娘・柚月と、109号事件の犯人の息子である古賀が50年越しに繋がるという展開も、個人的には現実味を欠いていると感じました。SNSでの接触がきっかけと言われていますが、柚月が自分の個人情報をほとんど公開していなかったので、偶然にしては出来過ぎているように思いました。

・首を絞めるシーンの違和感

これまで演技に関しては絶賛してきましたが、一つ気になった点がありました。
車掌・高市が女子高生・小野寺柚月の首を絞めようとするシーンです。

部下の藤井が怪我をし、大量に出血して心に余裕がなくなった高市に、東京駅での線路延長工事が中止になったと連絡が入ります。
絶望的な状況に感情が高ぶった高市が、ついに柚月の首を絞める場面なのですが、首を持つ手に力が入っていないことが丸わかりで少し冷めてしまいました。

これまでの高市のキャラクターを見ていると、ここで柚月の命を奪おうとするのは不自然に思えたので、正直、このシーンはなくてもよかったかもしれません。

表情には強い感情が表れている分、余計にもったいなく感じました。
キャラクターの感情をしっかり表現する中で、演技の細かい部分も大切だなと改めて感じさせられました・・・

まとめ

今回は「新幹線大爆破」をご紹介しました!

個人的には、この映画は観る人がどこに注目するかで、鑑賞後の感想が大きく変わる映画だなと感じました。
特に、新幹線やJR職員たちがかっこよく描かれているので、その点に注目して観るとより楽しめるかもしれません!

ここまで読んでいただきありがとうございました。

それでは。

参考:東洋経済オンライン『主役はE5系「新幹線大爆破」監督に聞く撮影の裏側 JR東日本が「まさか」の協力、ALFA-Xなぜ登場?』

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