こんにちは、ラッコです。
今回は、Netflixで配信中の映画「マンジャーレ!〜ノンナのレストランへようこそ〜」を鑑賞しました!
主人公のジョーが、料理上手な母を亡くしたことをきっかけに「家庭の味を提供するレストランを開業しよう」と一念発起する物語で、なんと実話をもとにしているそう。
レストランを開店させるまでの過程や、ジョーがどんどん周りを巻き込んで楽しくレストランを作り上げていく様子は、とってもわくわくさせられました。
早速ご紹介していきます!
作品概要
題名 | マンジャーレ! ~ノンナのレストランへようこそ~(原題:Nonnas) |
公開年 | 2025年 |
監督 | スティーブン・チョボスキー |
キャスト | ヴィンス・ヴォーン(主人公/ジョー・スカラヴェラ) スーザン・サランドン(ジア) ロレイン・ブラッコ(ロベルタ) タリア・シャイア(テレサ) ブレンダ・ヴァッカロ(アントネッラ) リンダ・カーデリーニ(オリヴィア) ドレア・ド・マッテオ(ステラ) ジョー・マンガニエロ(ブルーノ) |
公式サイト | 映画『マンジャーレ! ~ノンナのレストランへようこそ~』Netflix公式サイト |
あらすじ
最愛の母を亡くし、孤独な日々を送っていた主人公・ジョー。
母との思い出が詰まったスタテン島を訪れたことをきっかけに、「母や家族が作ってくれたような手料理を楽しめるレストラン」を開くことを決意する。
シェフとして迎えるのは、なんとプロではなく、普通のおばあちゃんたち(ノンナ)たち。
集まった個性豊かなノンナたちと共に、ジョーは夢に向かって突き進みます。
果たして、笑いあり、涙ありのこの奇想天外なレストランは、無事成功を収めることができるのか——?
感想・考察
これから鑑賞される方へ(ネタバレなし)
シンプルで心穏やかに楽しめる、温かい物語でした!
ヒューマンドラマの深みとコメディの軽やかさがちょうどいいバランスで混ざり合い、最後まで気持ちよく観られる作品だと思います。
「ノンナ」とは?
まず気になるのが、“ノンナ”って何?ということですよね。
イタリア語で『ノンナ(Nonna)』とは、『おばあちゃん』を意味します。
邦題ではサブタイトルに使われていますが、原題ではそのまま『Nonna(ノンナ)』がタイトルになっていて、映画の大事なテーマのひとつがすぐに伝わるようになっています。

日本にも「ノンナ」という言葉を使ったレストランが結構あるみたい
個性豊かなノンナたちの魅力
ジョーのレストランは「家庭の味を提供し、家族を感じられる場所」がコンセプト。
そのためシェフにプロは雇わず、一般のおばあちゃんを迎え入れ、それぞれの家庭に受け継がれてきた味を振る舞ってもらいます。
集まったノンナたちはみんな、個性豊かで自我がとても強め。
出身地や文化の違いからしょっちゅう衝突し、激しい口論はもちろん、ときには食材の野菜を投げ合う大げんかにまで発展します。
遠慮ゼロの悪口合戦には、思わず笑ってしまいました。
そんな彼女たちも、シェフになる前の暮らしはさまざま。
一人で家にこもりがちだったり、杖をつきながら日々を過ごしていたりと、“ザ・老後”な日常を送っていたノンナもいました。
そんな彼女たちが、老後に新たな挑戦としてシェフを務める姿は、とても生き生きとしていて、こちらまで元気をもらえます。
キッチンで楽しく料理をするノンナたちの姿には、「自分もこんな風に年を重ねたい」と思わせてくれる魅力がありました。
映画を彩る音楽の心地よさ
本作で流れる音楽もとても印象的でした。
挿入されるのは、イタリアゆかりの曲が多く、とりわけ昔ながらの明るいメロディは、作品全体の楽しい雰囲気にぴったり。
中には「フニクリ・フニクラ(鬼のパンツの曲)」といった、日本人にも馴染みのある曲が登場し、思わずにんまりしてしまいます。
さらに、序盤の家族団らんのシーンで流れるジャズは、決して自分が昔聴いていたわけではないのに、どこか懐かしく心が和む、不思議な魅力のある曲でした。
見てるだけでお腹が鳴る!おいしそうすぎる料理シーン
料理シーンや食事シーンも、この映画の大きな見どころでした。
序盤で映し出されるのは、ショーウィンドウいっぱいに並ぶカラフルなスイーツ。日本ではなかなか見かけないようなお菓子ばかりで、見ているだけで幸せな気持ちになります。
さらに、ジョーの母・マリアやノンナが作るイタリア料理、そしてレストランに集まったノンナたちが腕をふるう料理は、どれも本当においしそう・・・!!お腹が空いているときに観ると確実に飯テロをくらいます。
特にイタリア料理は日本人にも馴染みがありますし、「本場のノンナの味」と聞くだけで魅力的に感じてしまいました。



夜中に観るのはよくない
料理そのものや調理の様子を丁寧に映すカメラワークも秀逸で、まるで香りや温かさまで伝わってくるような臨場感があります。
「今すぐ本場のイタリア料理が食べたい…!」と、思わずお腹が鳴りそうに。
肩の力を抜いて楽しめる!クスッと笑える明るい映画
本作は、観ているだけで元気をもらえる、とっても楽しい映画でした。
いい意味で肩の力を抜いて、軽い気持ちで鑑賞できるのが嬉しいポイントです。
ジョーのレストランも、一筋縄ではいかず何度も乗り越えるべき壁が現れます。
そのたびにどんな出来事が起こるのか、ついつい先が気になって夢中になってしまいました。
さらに、本作は実話をもとにした物語。
劇中と同じ名前の「エノテカ・マリア」というレストランがスタテン島に実在し、世界各国のノンナたちが作る料理を楽しむことができるそうです。
鑑賞後にレストランについて調べてみるのもおもしろいかもしれません。
大人から子どもまで、老若男女どんな方でも楽しめる作品だと思います。
ぜひおすすめしたい映画です!
ここからネタバレあり ※未鑑賞の方は注意
「コメディ」として紹介されていますが、どちらかというとヒューマンドラマ寄りの印象でした。
実話ベースなので展開が読める部分もあるのですが、それでも十分に楽しめる、ほっこりする映画だと思います。
なぜアメリカなのにイタリア?
まず気になったポイントがこれ。
舞台はアメリカなのに、ジョーの家庭料理はイタリアン。会話にもたまにイタリア語が登場しますし、ジョーが開こうとするレストランももちろんイタリア料理店です。
というのも、アメリカには「リトル・イタリー」と呼ばれる、イタリア系移民の街があるからなんだそう。
ニューヨークのマンハッタンにあるリトル・イタリーは特に有名なようです。
ジョーの家族や友人がイタリア語を使ったり、イタリア料理でパーティーを開いていたのも、そんな背景があってのことと知り、納得しました。
ちなみに、シェフのテレサの出身地ブロンクスにもリトル・イタリーがあるんだとか。
こういう背景を知ると、映画の細かい描写もすんなり入ってきそうですね。
家族への想いが原点、ジョーの大きな一歩
主人公であるジョーの行動力には本当に驚かされました。
最愛の母を亡くし、単調な日々を過ごしていたジョー。
そんな彼がふいに料理を始めたのは、ノンナや母の手料理が恋しくなったからでした。
自らキッチンに立ち、懐かしい味を再現しようとする姿からも、ジョーにとって“家族”がどれほど大切な存在だったのかがうかがえます。
ブルース夫妻に「新しいことを始めてみたら?」と背中を押されて、ジョーが向かったのは、やはり母や家族との思い出が詰まったスタテン島。そこからも、彼の家族への深い愛情が伝わってきます。
街を歩くうちに目に留まったのは、売りに出されていたレストラン。
その瞬間、ジョーの中で“ここでイタリアンレストランを開こう”という決意が固まります。
ブルーノ夫妻に相談したときには、すでに店名を母にちなんで『エノテカ・マリア』と決め、頭の中では構想も膨らませていました。
そして極めつけは、この時点でもう店を買ってしまっていたという大胆さ!
ついさっきまで単調な日々を過ごしていたのが嘘のようで、その勢いには思わずクスッとさせられました。
とはいえ、この新しい挑戦の原点にあるのもやっぱり“家族”。
そこにこそ、ジョーらしさを強く感じました。
大切な存在を失った悲しみを断ち切るのではなく、その思いを抱えたまま自分なりの夢へとつなげていく。
その姿はとても誠実で、見ていて胸を打たれました。
ただ、もちろんジョーも完璧な人間ではないので、観ていて気になるところもありました…笑
目標に向かって一直線に突き進む姿勢は魅力的ですが、どこか見切り発車ぎみで計画性に欠けているのは、レストラン初心者としてはかなり危ういポイント。
家を担保にお金を借りようとするなど、リスクをあまり考えない大胆さには、正直こちらまでハラハラしてしまいました。



その無鉄砲さがきっかけで、ブルーノとも喧嘩しちゃったしね
ぶつかりながらも支え合う、相棒ブルーノ
レストランを開くにあたり、ジョーは自然と多くの人たちと関わることになります。
まず登場するのは幼馴染のブルーノ。
最初は「素人がレストランなんて無理だろ」と否定的でしたが、ジョーの熱意と練り上げた構想を聞くうちに、しぶしぶながらも協力を決意します。なんだかんだ言いつつ付き合ってくれる姿に、二人の長年の関係性が垣間見えてちょっとほっこり。
さらに、建築業者であるブルーノが改装を、妻のステラが装飾を担当。まるで役割が最初から決まっていたかのように、ピタッとはまるサポート体制が整い、レストランは理想の形に仕上がっていきます。
最愛の母を失ったジョーにとっても、こうして力を貸してくれる友人がいるのは本当に心強く、見ていてこちらまで温かい気持ちになりました。
しかし、ここで思わぬトラブルが発生します。
ノンナたちがキッチンで大げんかを繰り広げるうちに、オーブンの中身が燃え上がり、まさかのボヤ騒ぎに。
なんと消防車まで駆けつける騒動となってしまいました。
ここからが問題。ジョーは、この大事件を肝心のブルーノに報告していなかったのです。



さすがにレストランを改装してくれたブルーノには相談してくれ〜〜〜〜
ボヤ騒ぎのせいで壁の安全性は損なわれ、オーブンは故障。結果として建物使用許可証が下りず、再検査まで約一年も待たなければならない羽目に。
「自分が建てた店に傷をつけられた」と怒り心頭のブルーノは、ジョーと激しく口論。ついに二人は決裂し、ブルーノは店を去ってしまいます。
ジョーが友達なのに正直に伝えなかったのはちょっといただけないし、ブルーノも言い過ぎな部分はあった気がします。どちらの気持ちもわかるだけに、観ていてハラハラしました。
仲直りのきっかけを作ったのは、ジョーでした。
彼はゼッポレ(イタリアの揚げドーナツ)を手土産に、ブルーノの家を訪れます。
そこで明かされたのは驚きの事実。ブルーノはなんと、父親から譲り受けた大切な車をレストランのために売っていたのです。
それを知ったジョーは驚きと同時に、友の想いを受け止め、お店を絶対に成功させて埋め合わせをしようと決意。
こうして無事二人は仲直りすることできました。



ゼッポレを買ったのは、冒頭で子ども時代のジョーが訪れたお店。昔と変わらぬ店員さんが登場する、ちょっとした遊び心のある演出も素敵!
頼れるヒロイン・オリヴィアの支え
そして忘れてはいけないのが、ジョーのレストランに欠かせない存在・オリヴィアです。
スタテン島のマルシェで偶然再会した、高校時代の友人オリヴィア。
再会を喜ぶ二人の会話は和やかでしたが、ジョーは彼女の左手薬指の指輪に気づき、ほんの少し複雑な気持ちを抱えます。
そんなオリビアですが、物語の中で大活躍!
彼女がいなければレストランは開けなかったのでは?と思うほどの存在感を放っています。
近所に住む高齢のアントネッラを気遣い、買い物に付き添うなどして彼女を支えていたオリヴィアは、ジョーの夢に共感し、アントネッラをレストランのシェフとして紹介します。
さらに、あのボヤ騒ぎで建築許可証の検査に落ちた際には、その検査員の不正を調べ上げ、見事に解決へと導きました。法律を学んでいる彼女の知識あってこその展開で、まさに救世主的な存在でした。
彼女がいなければレストランは始まらなかったはず。ヒロインでありつつも頼れる存在で、ジョーにとっても、そして観ている私にとっても心強かったです笑
こうして少しずつ距離を縮めていくジョーとオリヴィア。
会話を重ねる中で、オリヴィアはすでに夫を亡くしており、今は独身であることが明かされます。その辛い時期を支えたのが、ご近所のアントネッラ。二人の間には家族のような特別な絆があることがわかります。
それでもオリヴィアは「まだ心の整理がつかない」と指輪をずらせずにいる、と打ち明けてくれました。
物語のラスト、レストランが無事に成功を収め、お客さんとノンナたちが音楽に合わせて踊る温かな空間の中、視線を交わすジョーとオリヴィア。
カメラは彼女の右手の薬指に光る指輪を映し出し、ジョーは静かに彼女のもとへ歩み寄り、言葉なくキスを交わします。
多くを語らずとも心が通じ合っている感じが、大人ならではの余韻を残していて、とても素敵なラストシーンでした。
個性豊かなノンナたちとレストランの軌跡
シェフとして集まったノンナたちは、料理を通じて徐々に心を開き、次第に仲良くなっていきます。
個性豊かな4人のノンナたち
・ロベルタ(イタリア/シチリア島出身)
ジョーの母とは60年来の親友。とても頑固で黙っていられない性格。
アントネッラとはよく口喧嘩をしている。
・アントネッラ(イタリア/ボローニャ出身)
スタテン島に住むオリヴィアのご近所さん。おっとりしているように見えて、意外と毒舌。
ロベルタとは地域差による価値観の違いから、よく口喧嘩を繰り広げます。
同じイタリア出身のロベルタとは地域差による価値観の違いでよく口喧嘩をしている。
・テレサ(アメリカ/ブロンクス出身)
ブロンクスの修道院でシスターをしていた、心優しく穏やかな女性。
新しいことを始めたいと考えていたところに、レストランの求人を見つけて応募。
・ジア
ジョーの母と親交が深かった美容師。
スイーツ作りが得意で、最初は年齢的な抵抗もあったものの、ジョーの熱意に押されてレストランに加わる。
準備も整い、いよいよレストランはオープン。
しかし初日はあいにくの雷雨で、来店はブルース夫妻のみ。やる気満々のノンナたちは落ち込んでしまいます。
客足が伸びない原因のひとつは、マルシェの八百屋が「新しい店には行くな」と広めていたこと。ジョーのレストランは、八百屋の友人ドミニクが50年以上続けた名店の跡地であり、街の人たちには思い入れが強かったのです。
負債が膨らむ中、ジョーは情報誌や評論家にレビュー依頼を送るも相手にされず。
ジアの助言を受け、評論家のもとへアポなし突撃しますが、一蹴されて肩を落とします。
ついに、ジョーは「これ以上は店を続けることができない」とノンナたちに告げます。
すると、ノンナたちは誰も責めず、「みんなと家族のようになれてよかった」と笑顔で励まします。頑固なロベルタや毒舌のアントネッラまでもが優しい笑顔を見せるシーンは、ノンナたちの人柄の温かさが伝わってきて胸が温まります。
最後にジョーは、身内や友人を招いた盛大なパーティーを開催。
店は満席になり、八百屋も謝罪に訪れ、ジョーが残したドミニクの店の名残を発見し感謝を告げます。
パーティーは終始賑やかな様子で、未練が残りながらも「エノテカ・マリア」は閉店します。
しかし、このパーティーにはなんと、ジョーが突撃訪問した評論家の部下が訪れていました。
翌日、新聞には「趣のある美しいレストラン、おいしい料理だけでなく家族を感じられる」と評されたレビューが掲載されており、ジョーは大喜び。
ジアのアドバイスのもと、料理を持って評論家のもとを訪れたのは決して無駄ではなかったのです。
ジョーは店を買い戻し、「エノテカ・マリア」は活気あふれるお店に。
最後には店内でお客さんやノンナたちが音楽に合わせて楽しそうに踊る姿が映し出され、ジョーの子ども時代の家でのパーティーを思い起こさせる、まさに理想通りの光景に。
ノンナたちの個性がぶつかり合いながらも、ジョーと一緒に夢を作り上げていく姿は、本当に観ていて元気をもらえました。観ているこちらまで、自然と笑顔になれるシーンがたくさんあるとても素敵な映画でした。
母からの手紙
母の親友であるロベルタがずっと預かってくれていた、母からジョー宛の手紙。
ずっと開けずにいたジョーですが、エノテカ・マリアでの最後のパーティーが終わった後、意を決して封を切ります。
手紙の中身は、なんと母と(ジョーの)ノンナのレシピでした。
亡くなった母やノンナの料理を追い求め続けていたジョー。中でもノンナのグレイビーだけがどうしても再現できずに苦戦していましたが、答えはずっと自分のすぐそばにあったのです。
この手紙、冒頭で登場しながらもずっと内容は明かされず、後半までかなり引っ張ります。
「きっと感動的なことが書かれているのだろう」と期待させられていたからこそ、手紙の中身がレシピだとわかった瞬間は、いい意味で裏切られたような驚きと喜びがありました。
ジョーにとっても、母やノンナとのつながりを感じられる、特別な宝物になったのではないでしょうか。
料理という形で家族の思いが残ることは、とても意味のあることだと感じました。
まとめ
今回は映画「マンジャーレ!〜ノンナのレストランへようこそ〜」をご紹介しました!
最愛の母を失った悲しみを抱えながらも、自分なりの夢へ踏み出していくジョー。
“普通のおばあちゃん(ノンナ)にシェフをしてもらう”というユニークな発想がとても素敵で、明るい音楽も相まって、観ているこちらもわくわくしました。
ノンナたちのわちゃわちゃしたやりとりも楽しく、家族を超えた人と人とのつながりを感じられる、心温まる作品です。
観て後悔することはないと思うので、気になった方にはとてもおすすめです!
ここまで読んでいただきありがとうございました。
それでは。
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