映画「意のままに」若干ネタバレありのあらすじと感想【催眠を用いたサイコホラー】

こんにちは、ラッコ(@rakkokkoblog)です。

Netflixにて配信中の「意のままに」を鑑賞しました!

マインドコントロールで人間を意のままに動かせる催眠術療法士に立ち向かう女性を描いた迫力のサスペンス。
主演は「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」テオ役のケイト・シーゲルが務めます。この方、ホラー映画でよく見かけますね。

短いわりにかなり濃い内容の作品でした!早速ご紹介していきます。

こんな方におすすめ

さくっとホラー映画を観たい方
残酷な描写が少ない映画が好き
催眠を使ったストーリーに興味がある

目次

作品概要

題名   ▷ 意のままに
       (原題:Hypnotic)

公開年  ▶︎ 2021年

監督   ▷ マット・エンジェル、スザンヌ・クート

キャスト ▶︎ ケイト・シーゲル
       (主人公の女性/ジェニファー(ジェン))
       ジェイソン・オマラ
       (催眠術療法士/コリン・ミード)
       デュレ・ヒル
       (警察/ロリング)
       ルシー・ゲスト
       (ジェンの友人/ジーナ)
       ジェイミー・M・キャリカ
       (元婚約者/ブライアン)
       
公式サイト ▷ 映画『意のままに』Netflix公式サイト 

「意のままに」あらすじ|催眠療法で人間を思い通りに操るセラピスト

主人公・ジェンは、友人の新居祝いのパーティーでコリン・ミード博士という催眠術療法士と出会う。
仕事に恵まれず私生活もうまくいっていなかったジェンは、友人の勧めによりミード博士の催眠療法を受けることに。

治療を受けるにつれ、ジェンは徐々に活気を取り戻していき、3ヶ月が経つ頃には無事再就職先が決まっていた。

そんな矢先、突然意識がなくなり元婚約者を危険な目に遭わせていたり、自分の記憶に全くない内容の夢を見るようになったりと不可解な出来事が起こり始める。

それらはミード博士の催眠によるもので、自分が操られていることに気がついたジェンは、警察の力を借りて彼から逃れる方法を探し出そうとする。

感想・考察

これから鑑賞される方へ(ネタバレなし)

ちょうどいい怖さで気楽に観ることができる映画でした!

催眠術と聞くと、バラエティ番組のネタとしておもしろおかしく使われているのもありなんとなく胡散臭いイメージがありましたが、作中では「催眠療法」という立派な医療行為の一つとして登場します。
警察もこの催眠療法を用いて目撃者から情報を引き出すことがあるんだとか。

ミード博士の催眠は、指と指がくっついちゃう!なんてものではなく、本人とは関係のない別の記憶を植え付けることができたり幻覚で全く違う世界を見せることができたりと、催眠をかけた人間を自由自在に動かせる無敵の力です。

主人公の女性・ジェンは、催眠術療法士・ミード博士の催眠療法を受けてからというもの、ベッドで博士と二人で眠っている夢を見たり、知らぬ間にごまアレルギーの元婚約者にごま油を使ったサラダを振る舞っていたりと、自分の意に反した不可解な現象に見舞われます。
ジェンの不安を取り除くかのようにカウンセリングを続けるミード博士ですが、これはジェンを思ってのことではなく何もかもが博士自身のとある目的のため。その目的がわかった瞬間すべてが繋がってゾワッと鳥肌が立ちました

ミード博士を不審に思い始めたジェンはその正体を明かすべく自ら調査を行いますが、「それ絶対仲間と一緒に行ったほうがいいって!」という敵地とも言える場所にひとりで突っ込んで行ったり、家に帰ってきてもドアの鍵を閉めなかったり、挙句誰が来たのかも確認せず簡単に家のドアを開けてしまったり、観てるこっちをドキドキさせてくるような行動が多いこと多いこと。果敢で行動力があるのはいいのですが、その割に警戒心が薄くて思わず突っ込みたくなってしまいます。

らっこ

危険な場所になぜかひとりで行く主人公」はホラー映画あるあるですね

いくつか伏線が張られていて、後から「そういうことか!」と納得できるような展開もあり、ミステリー要素のあるサスペンスとしては非常に楽しめました。(ガチガチのミステリーではないです)
インパクトのあるシーンが多い反面、グロテスクなシーンは少なめなので、残酷な描写が苦手な方でも安心して観られる映画です。

映画の中身が凝っていておもしろい分、ちょっともったいないなあと感じたのが和訳タイトルです。
「意のままに」というタイトルは、映画の内容を凝縮した言葉としては的を得ているけど、「催眠」とか印象に残る言葉が入っていた方が興味が湧きそうだなと感じました。

スプラッター的な演出に頼らず、人間の奥底に眠る恐ろしさがじっくりと描かれた映画でした。
89分とほどよい長さなので、さくっと観られるホラー映画を求めている方にもおすすめです!

ここからネタバレあり※未鑑賞の方はご注意

冒頭の、迫りくるエレベーターの壁に女性が挟まれるシーンは迫力がありすごく衝撃的でした。この女性が催眠のせいでおかしくなっていることは明らかでしたが、まさかジェンと同じようにミード博士に狙われた女性だったとは・・・
ミード博士はなぜ何人もの女性に治療とは関係のない催眠をかけるのか、その目的はこの物語において重要なポイントの一つです。

ミード博士の犯行動機が分かるまでは、好きになった女性を自分のものにするために催眠療法を利用しているのではないかと考えていました。小学生の考えだったらまだかわいらしさがありますが、大の大人が自分の職業を利用してまでこんなことをしていると思うとかなり恐ろしいですね・・・笑

しかし、ミード博士が女性を狙った本当の目的は、「亡くなった妻の記憶を植え付けて、妻を蘇らせるため」でした。恐ろしいどころの話じゃありません。人間を人間として捉えていない身勝手な発想です。
冒頭でエレベーターの壁に挟まれて亡くなった女性も過去に同じ目的で催眠療法をかけられ、最後には殺されてしまいました。ミード博士が思う理想の妻の器にそぐわなかったためでしょうか・・・ここが作中あやふやなままだったので、もう少し深掘りしてほしかったなあと思います。

そんな本作ですが、注目したいのはやはり催眠術療法士であるミード博士の存在でしょう。
ミード博士の催眠は手の及ぶ範囲が広く、普通の人間では逃げることができません
ここでわたし的ミード博士の最強ポイントをまとめてみました。

最強ポイント1・自分がやったという証拠が残らない

催眠をかけた人間にどんな行動をさせても、ミード博士がやったという証拠は残りません。
ミード博士はこれまでにも複数の女性を死に追いやっていますが、どの事件においても証拠不十分で、罪に問われることなくずっと催眠術療法士を続けています。

最強ポイント2・催眠はいつでも発動可能

作中明確にはされていませんでしたが、ミード博士の声さえ相手に届けばいつでも催眠を発動することが可能なようです。
対面であれば自由に行動を指図でき、離れていても電話1本で相手の行動を操ったり幻覚を見せたりすることができてしまいます。

最強ポイント3・複数の強い催眠がかけられる

ミード博士は一人の患者に対して複数の催眠をかけることができます。
催眠療法中の会話を思い出すことができれば、ミード博士を捕まえる証拠になるのではと考えたジェンは、他の催眠術療法士の元を訪れます。しかし、それすらも見越していたミード博士は会話の内容が引き出せないようさらに別の催眠をかけており、結局証拠をつかむことはできませんでした。


これほどの強敵であるミード博士ですが、最終的にジェンは間一髪で彼の催眠から逃れることができました。
逃げることができたのは、なんと別の催眠術療法士による暗示のおかげ。ミード博士がジェンを「愛する人」と呼ぶのを利用し、そう呼ばれたら仕掛けられた催眠暗示を全て無視できるというもの。催眠が解けたことでジェンは正気に戻り、最後はミード博士に銃をぶっ放して勝利。なかなか冷や冷やするシーンでしたが、ここが一番おもしろかったかも。

そして何より、ミード博士の演技が上手でした。表は優しそうな頼れる催眠術療法士、裏の顔は自分の目的を果たすために関わった人間を利用する悪い人ですが、どちらの場面でも話し方や声のトーンは変わらず、優しいながらも若干の怪しさを漂わせる演技がリアルでした。何をされても自分の想像の範疇とでもいうようにいつも平常心で、うろたえる様子がないところがこわかったです。ガチのサイコパスを見事に演じきっていました。

電話が引き金になる点や、その人が恐怖を抱くものを幻覚として見せる点、主人公の周りの人たちから徐々に被害にあっていく点など、流れやホラー的演出がケース39と似ているように感じました。ケース39も似たようなサスペンス寄りのホラー映画なので、こちらの記事を読んで気になった方はぜひ観てみてください。

ちなみにですが、作中に出てくる「MKウルトラ計画」は1950〜60年代にかけてアメリカ・カナダで本当に行われていた洗脳実験のことです。
気になって調べてみましたが結構ショッキングな内容だったので興味のある方は自己責任で覗いてみてください・・・
Netflixを代表する作品の一つである「ストレンジャー・シングス」でもこの計画が登場します。日本にいるとあまり耳にしない名前ですが、海外では本作に限らずいろんな作品に用いられているようで結構有名な話なのかもしれません。

まとめ|無敵の催眠術療法士に立ち向かうスリリングなサスペンス

超良作というほどではありませんが、ハラハラするストーリー展開・俳優陣の演技含め楽しく鑑賞できました!
ミード博士が明らかに怪しいとわかっている分、先の展開が読めてしまうところもありましたが、迫力のある映像表現で退屈せずに観ることができました。

催眠療法という怪しげな治療法、調べてみると実際にも行われている事例があるそうですね。悪用されたとしてもミード博士のような力を出すことは不可能だと思いますが、現実でももしかしたら似たような事件が起こるかもしれないと思うと、よりこわさが増します・・・

サスペンス要素のあるホラー映画がお好きな方はぜひ観てみてください!

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